イワナロードを半分だけ行く。

 古い渓流釣りの本にしばしば”イワナロード”の言葉がある。熱狂的な渓流釣り愛好者やたくましき源流マンには、この上なくたまらない魅力的なキャッチフレーズ。大イワナを夢見たり大釣りを妄想したり、思うところは人それぞれだろうが、インターネット時代の現在においては、化石のような古めかしい言葉にも感じる。イワナロードの意味するものは、かつての食漁師がたんぱく源としてさらに上流にイワナを移し、また未開の源流帯をフロンティアスピリットに似た気持ちで切り開き、そんな遠いいにしえの釣り師たちがいてくれたからこそ今の渓流釣りがあるんだと、自身の心は尊敬と感謝と追想に至る。けして大物やバカ釣り等の勝手な妄想ではない。
 たまもや台風発生で宿が成り行き上の臨時休館の4連休。台風21号は過去最大級と毎日伝えられてはキャンセルは当然。この機会を前向きに現地調査にあててこそ、釣り宿フライ宿としての休日の意味がある。自分としても未開の地へ、初めて足を踏み入れてみた。天気は悪くはなく、時折り嵐の前のムッとする暖かく湿った空気と晴れ間。雷は無し。荒れたゴーロ状をエントリーし、マイペースで歩を進めると、流れが1本にまとまってイワナのポイントらしい雰囲気も出て、アタリを返してくる。ほぼバラシはなく、反応するのは巻き返しがほとんど。これこそイワナの棲み家、イワナの川。そういう渓相だから当たり前のこと。
 宿のお客様と川や魚の話になると、ちょくちょく「やっぱり上流の方なんですかね」と会話に出てくるが、生き物には適した生息条件みたいのがあるので、渓流魚も同じ。何もかも、どんな川でも、上へ上へと行けば良いと言うもんじゃない。イワナロードについても、どちらかというとエサとなる食物が多いエントリー付近の方が魚影は多い事がたびたびある。今回もスタートから1/3がポツポツ釣れて、進むごとに魚影は少なくなっていく。魚影が減っていくと逆に大イワナへの期待が膨らむのは釣り人の不思議なところだが、これこそが勝手な夢見る妄想の始まり。頭のどこかに”ここはもしかしたら”とワクワク感は否めない。
 週末の足跡がきれいに1人分、往復分が自分を案内してくれる。この足跡が消えるまで行ってやろうと思い、記載では3m滝だが実際には4m滝をクリア。足跡はまだあり、今の滝上からは自分にとってはフロンティア。イワナはやや胴丸の細身になり、エサ量が少ない様だ。次はしばらく行くと17m滝。天気は安定しているが晴れと曇りが交互にやってくる。適当な標高にはなっているので、流れ覆う樹々はすでになく、ゴルジュ帯と山岳渓相が交互に目を楽しませてくれる。案内人の足跡はまだあり、ちょこちょこ竿を出すとイワナは若干小型化したような印象を受ける。ここで携帯電話を見ると13:57.ストップフィッシング。案内人の足跡があるようなないような、となった頃だった。たまたま岩肌を歩かれたのかも知れないが、それはそれ、イワナロードは続く。自分は帰る時間となった。帰路にも少しだけ竿を出しながら、16:00に車止め着。
 釣果は最初の1/3行程で9寸8寸、先に進むと7寸前後、ラスト1/3で6~7寸。引き返し地点を確認すると17m滝にもう少しという場所だった。17m滝の次は20m直爆の滝が魚止めとされている。今日の自分のイワナロードは十分に納得いくものだった。とても楽しい時間であり、まったく知らない風景に出会えた。歩いていても空を見上げられるのは気持ちが良いものだ。そして、怪我なく、事故なく、いつものように我が家にいる。これで100点満点。節度を持って、自制を忘れず、少しだけ奥会津の自然の扉を開いた。大満足だ。
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by yamayukikawayuki | 2018-09-05 07:56 | ■FLYFISHING/川遊び | Trackback | Comments(0)
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