小さく鈴なりに房ごと咲いている白い花はニセアカシヤ。ニセアカシヤは帰化植物で、大元は中国です。しかもニセアカシヤの名前は通称名で、正式には「ハリエンジュ」と言います。針の付いた槐樹の木ですが、エンジュは「延寿」に通じていてエンジュ自体は歓迎される樹木です。エンジュの木で作ったお椀や木工製品は北海道で良く売られていますね。でもエンジュにハリが付いていたらお目出度さも目減りしちゃうでしょ。ニセアカシヤという通称名だってウソっこですから。
アカシヤの蜂蜜はポピュラーな食べ物ですが、実はアカシヤの花の蜜ではありません。そんなにたくさんのアカシヤの木が日本全国に自生しているわけもなく、これはニセアカシヤの花の蜜なんです。アカシヤの蜂蜜として売られている蜂蜜は輸入品が多くを占めますが、その輸入元は中国です。ただし、あまりにも安価で売られている物は、さらに添加物が加えられていますから要注意。
ニセアカシヤは嬉しくないねと思っちゃいますが、そのお花だけは美味しいんです。先日はフジの花の天ぷらの話をしましたが、今はニセアカシヤの花の天ぷらに変わりました。でも、花の命は短くて…ですので、今週まではお出し出来そうです。ニセアカシヤで食べられる部位は花だけです。「なんとか県民カミングアウト!」というTV番組では、長野県民の大好物と紹介されていました。そんなに美味しいのかと興味を持つ人もいると思いますが、そんなに美味しいんです。本当です。すぐに来てくれたら、食べられるかも知れません。
写真は土曜日の天ぷらタネです。ニセアカシヤ、ニンニク坊主、クワの若葉。お泊りのお客様は、全員がニセアカシヤデビューとなりました。