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今の舘岩川について。

 月刊FlyFisher6/22売り号が発売されています。久しぶりに舘岩川についてのフィールドガイドを書かせて頂きました。そこで今年の変則な季節の巡りに関して、補足しておきます。いろいろと情報を集めている釣り人も多いとは思いますが、これからの釣行の参考になればと思っています。



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 前提として、今年の奥会津の季節の巡り方があります。大きな間違いは、冬に雪が多かったという誤解です。只見町~裏磐梯を結ぶラインから北側が例年よりも雪が多めであった事は確かですが、南会津町~昭和村~檜枝岐村の県南ラインは雪は例年よりも2割ほど少なかったのが実際です。その代わり、1月の冷え込みと3~4月の低温で、雪解けが遅れていたのが誤解を招く要因だったのではと思います。季節は10日遅れで、只見町方面は2週間遅れで、ドライの釣りのシーズンインになりました。
 その後は平年よりもやや涼しい気温で推移し、東北南部の梅雨入りが6/21。これは平年よりも1週間遅いペースです。関東以西が驚異的な速さでの梅雨入りだった事を思い出せば、東北地方は逆というギャップが出ています。梅雨入りは雨で梅雨入りではなく、湿度で梅雨入りした感があります。今は前線が南下していつもの梅雨期の天気図になっています。
 舘岩川のドライフライの釣りは、遅く幕開けして一気にピークへ達し、現在は落ち着きかけています。幸いなのは梅雨入りまでに減水を繰り返すことなく、ゆるやかに減水して梅雨入りとなった事です。イワナ・ヤマメはいたって元気で、適当な雨後は絶好のチャンスになります。ちなみに昨日6/24は晴れ、今日6/25は予報を上回る降水量となり、午前中に2ミリ予想が15ミリとなってしまいました。昼からは曇り空で、お客様たちは川を選んでドライの釣りの最中でしょう。梅雨ですから雨は降りますよ。
 舘岩川の夏までの釣りは、早期=15~22cm中心のヤマメのライズ&数釣り、中期=15~27cm中心の数に良型が混ざる釣り、後期=15~33cmまでの良型狙いで見極める釣り、に分けられます。よってフィールドガイドで記したように、今は後期に入るわけです。6~7月にはヤマメの稚魚放流がありますので、人によってはチビばっかとなります。そのチビが来シーズン10cm、再来シーズン18cmと育つので、チビが嫌な人は来ない方がいいですね。サカナと自然を誉められない釣り人は欲の塊ですから、「釣れるどこか」に行って下さい。舘岩川の放流はこのヤマメの稚魚放流のみです。
 近年の傾向に、イワナが増えた?という声を聞きます。これについては「Yes!」です。イワナの放流はありませんので、主に15~25cmだと思いますが、昨シーズンにはついに尺イワナも姿を現しています。チビから尺物までが泳ぐ川は自分の理想形です。自分も地元にいて少なからず携わっている者として、たいへん嬉しくそして誇りに思います。
 舘岩川はほぼ全流域で川底が滑りやすい川です。集落の間を流れるがゆえに、栄養が多すぎる実態がそうさせています。人々の生活ともに川はあり、今では山里にあって観光やレジャーの一端を担っています。「日本の原風景」と呼ばれる土地で、とってもお似合いの川です。事故や怪我は自己責任で、必ず無理はせず、会津の大自然の中で渓魚と戯れて下さい。お気を付けて。
by yamayukikawayuki | 2011-06-25 14:04 | ≫フライフィッシング/川遊び | Trackback | Comments(0)
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